仰向けになると腰が浮いて、じわじわ痛くなる。朝起きたときがいちばんつらい。横向きなら眠れる──。こうしたとき、真っ先に思い浮かぶのが「反り腰」かもしれません。ただし反り腰は姿勢の見え方を表す言い方で、病名でも診断名でもありません。ここでは原因を決めつけないための確認事項と、寝るときに試せる一般的な工夫を整理します。
急に脚の力が入らなくなった/つまずく、両脚の感覚が鈍い、股のまわりやお尻・肛門の周囲の感覚が鈍い、排尿や排便のしかたが変わった(出にくい・我慢できない・もれる)。
英国NHSはこれらを救急の対象として案内しています。また発熱や寒気がある、急に激しい痛みが出た、痛みが急速に悪化している場合は早めの相談を、転倒や事故のあとに出た場合は緊急の対応を案内しています。
寝方の工夫より先に受診してほしいサイン
順番を間違えてほしくない部分なので、もう一度整理します。英国NHSは腰痛・背中の痛みについて、次のような場合は救急外来を受診するか救急車を呼ぶよう案内しています。
- 両脚の感覚が鈍い、または力が入らない
- 股のまわり、あるいはお尻・肛門の周囲の感覚が鈍い
- 排尿・排便のしかたが変わった(出にくい、我慢できない、もれる)
- 胸の痛みをともなう
- 交通事故など大きなけがのあとに痛みが出た
発熱や寒気がある、急に激しい痛みが出た、痛みが急速に悪化しているときも、NHSは早めの相談を案内しています。
日本整形外科学会も、腰の痛みについて「安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱している、下肢がしびれたり力が入らない、尿漏れがする」ときは整形外科の受診をすすめています。加えて、下肢の痛み・しびれ・脱力がある場合には椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が考えられ、がんの転移による骨折や感染の可能性もあるため、通常でない強い腰痛では正確な診断が必要だと説明しています。
当院の施術は医療行為ではありません。上に当てはまる場合、優先すべきは医師の診察です。
「反り腰」は診断名ではない
「反り腰」は、立ったときや寝たときに腰の反りが強く見える状態を指す言い方として広く使われています。しかしこれは見た目の特徴の呼び名であって、痛みの原因を示す診断ではありません。腰の反りが強めでも痛みのない方はいますし、反りが目立たないのに痛む方もいます。
似た構図が「ぎっくり腰」にもあります。日本整形外科学会は、ぎっくり腰は「急に起こった強い腰の痛みを指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません」と明記しています。
そして腰の痛みの原因には幅があります。同学会は、背骨由来のもの(生まれつきの形、加齢による変化、けが、感染、腫瘍など)だけでなく、血管・泌尿器・婦人科・消化器の病気、さらに心理的な要因まで挙げ、原因が多様であるからこそ正確な診断が重要だとしています。英国NHSも腰痛の原因として筋肉の使い過ぎ、椎間板がすべり出たもの、坐骨神経痛、強直性脊椎炎などを挙げ、まれに骨折・がん・感染のサインであることがあるとしています。
寝ているあいだ、腰には何が起きているか
寝ているときは体重を支える場所が広く分散するため、日中より腰の負担は小さくなるのが一般的です。それでも痛む、朝いちばんつらいという方がいます。姿勢の面から考えられることを整理します。
仰向けでは、骨盤から背中までがマットレスに接する形になります。腰の反りが残ったまま寝ると、腰の下に隙間ができて、腰の一部だけで体重を受ける形になります。股関節の前側や太ももの前が硬い場合、脚をまっすぐ伸ばすと骨盤が前に引かれやすく、この隙間が大きくなることがあります。これは姿勢の見立てであり、すべての方の痛みがこれで説明できるという意味ではありません。
もう一つは同じ姿勢が長時間続くことです。英国NHSは腰痛の過ごし方として「長時間ベッドで過ごさないこと」「動けるうちは日常の活動を続けること」を挙げており、ケンブリッジ大学病院の患者向け資料も、寝込むのではなく定期的に起き上がることをすすめています。痛いから寝ていよう、という対応は公的な案内とは逆向きです。
ハレモアでは、股関節の前側や太もも、背中の硬さで骨盤が引っぱられていないかを検査で確認しています。これは院としての見方であり、一般的な医学的知見とは区別してお読みください。
医療機関へ相談する目安
救急のサインに当てはまらない場合でも、次のようなときは医療機関に相談してください。
- 数週間セルフケアを続けても良くならない(NHSの「かかりつけ医に相談」の目安)
- ふだんの生活・仕事が続けられない
- 原因のわからない体重減少がある
- しこりや腫れがある
- 夜に痛みが強くなる
- 背中の上のほう(胸の高さ)から痛みが出ている
これらはNHSがかかりつけ医への相談の目安として挙げている内容です。とくに夜間の痛みや体重減少は、姿勢の工夫で様子を見る対象ではありません。
寝るときに試せる一般的な工夫
ここからは、医療機関で重い原因がないことを確認済みの方が試せる範囲の工夫です。あらかじめお伝えしておくと、「すべての人にこの寝方」「この硬さの寝具」という形の推奨は、NHSや日本整形外科学会の一般向けページには示されていません。以下は一般的に行われている工夫であり、合うかどうかは人によって違います。
1. 膝の下にクッションを入れる(仰向け)
仰向けでひざをまっすぐ伸ばすと腰が浮くという場合、ひざの下に丸めたタオルやクッションを入れて、ひざを軽く曲げた状態にすると腰の隙間が埋まりやすくなります。高さは、腰の下に手が入らなくなる程度から試してください。高くしすぎると別の部分が突っぱるため、少しずつ調整します。
2. 横向きで、ひざを軽く曲げる
仰向けがつらい時期は、無理に仰向けで寝る必要はありません。横向きでひざを軽く曲げ、ひざのあいだにクッションを挟むと、上側の脚の重さで骨盤がねじれにくくなります。抱き枕でも代用できます。
3. 寝具は「いきなり買い替えない」
柔らかすぎて沈み込む、硬すぎて腰が浮く。どちらも起こりえます。ただし寝具は高額な買い物になりやすいので、先にタオルやクッションで調整して手応えを見るほうが安全です。マットレストッパーのように足し引きできるものから試す方法もあります。
4. 朝の起き上がり方を変える
朝がつらい方は、寝方より起き上がる動作が負担になっていることもあります。仰向けからそのまま体を起こすのではなく、いったん横向きになり、腕で体を押して起きる。この順番のほうが腰をねじらずに済みます。
試して痛みが強くなるもの、脚のしびれが出るもの、朝のつらさが増すものは続けないでください。英国NHSは腰痛の運動について「痛みが強くなったら中止し、かかりつけ医に相談してください」と案内しています。またNHSは、運動を始める前に、自分に合う内容か不安がある場合や、持病・けが・症状・最近の医療的な出来事がある場合は専門家に相談するよう示しています。ケンブリッジ大学病院の資料が示す「自分の症状を目安にする」という考え方が、判断の軸になります。
日本整形外科学会は腰痛の予防と対処として、よい姿勢を保つことと、専門家の指導のもとで筋力をつける運動を行うことを挙げています。寝具や寝方の工夫は、日中の負担の見直しと合わせて考えるものです。
ハレモアで対応できる範囲
ハレモアでは、慢性的な腰痛や、ぎっくり腰を繰り返す方のご相談をお受けしています。動けないほどの強い痛みの直後や、足のしびれがある場合は、まず整形外科などの医療機関を受診してください。痛みが落ち着いてからは、繰り返さないための体づくりとしてご利用いただけます。
初回はカウンセリングと検査に時間をかけ、どの動きで痛むかを一つずつ確認し、腰に負担を集めている場所を探します。そのうえで腰だけでなく、股関節・太もも・背中など骨盤を引っぱっている部位の骨膜へアプローチし、背骨から骨盤の状態を整えていきます。産後の骨盤まわりの不調にも対応しています。所要時間60分・3,300円(税込)、完全予約制で、岡山店・倉敷店とも完全個室です。倉敷店には女性スタッフも在籍しています。
施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。詳しくは「岡山・倉敷で腰痛に悩む方の整体」をご覧ください。
よくあるご質問
仰向けで腰が痛いのは反り腰が原因ですか?
「反り腰」は腰の反りが強く見える姿勢を指す言い方で、病名でも診断名でもありません。仰向けで腰が痛いという情報だけでは原因は決まりません。日本整形外科学会は、腰の痛みの原因として背骨由来のもの(生まれつきの形、加齢による変化、けが、感染、腫瘍など)だけでなく、血管・泌尿器・婦人科・消化器の病気や心理的な要因まで挙げており、原因が多様であるため正確な診断が重要だと説明しています。同じ学会は「ぎっくり腰」についても、急に起こった強い腰の痛みを指す通称であり病名や診断名ではないと明記しています。呼び名で原因を決めず、気になる場合は医療機関で確認してください。
仰向けで腰が痛いとき、受診したほうがよいのはどんな場合ですか?
急に脚の力が入らなくなった、両脚の感覚が鈍い、股のまわりやお尻・肛門の周囲の感覚が鈍い、排尿や排便のしかたが変わった、といった場合は英国NHSが救急の対象としている内容にあたるため、すぐに医療機関を受診してください。発熱や寒気がある、急に激しい痛みが出た、痛みが急速に悪化しているときも、NHSは早めに相談するよう案内しています。日本整形外科学会も、安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱している、下肢がしびれる・力が入らない、尿もれがあるときは整形外科の受診をすすめています。また数週間セルフケアをしても良くならない、原因不明の体重減少がある、夜に痛みが強くなる場合も相談の目安です。
腰痛に良い寝方や寝具は決まっていますか?
「すべての人にこの寝方」「この硬さの寝具」という形での推奨は、英国NHSや日本整形外科学会の一般向けページには示されていません。膝の下にクッションを入れる、横向きでひざを軽く曲げる、マットレスの硬さを変えるといった工夫は試す価値がありますが、合うかどうかは人によって違います。ケンブリッジ大学病院の患者向け資料が示すように、自分の症状を目安にして、楽になるものを続け、症状が強くなるものは続けないという判断のしかたが現実的です。寝具の買い替えを検討する場合は、先に医療機関で状態を確認することをおすすめします。
参考資料
- Back pain(腰痛・背中の痛み)|NHS
- Lower back pain exercises(腰痛の運動)|NHS
- Sciatica(坐骨神経痛)|NHS
- Sciatica(患者向け情報)|Cambridge University Hospitals NHS Foundation Trust
- 腰痛|日本整形外科学会
- ぎっくり腰|日本整形外科学会
慢性腰痛・ぎっくり腰へのハレモアのアプローチ、先に受診してほしいサイン、岡山店・倉敷店の情報は「岡山・倉敷で腰痛に悩む方の整体」にまとめています。
頭痛腰痛肩こり専門整体院ハレモアが、日本整形外科学会やNHS(英国国民保健サービス)などの公的機関が公開している情報をもとに作成しています。記事の内容は一般的な情報であり、診断や治療にかわるものではありません。症状の判断は医療機関にご相談ください。当院の施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
まずは60分の初回体験から
カウンセリング・検査・施術・セルフケアの指導まで含めて60分 3,300円(税込)。
いまの体の状態を、一緒に確認するところから始めます。