「筋膜リリース」と「骨膜整体」は、どちらも名前に「膜」が入るため、同じものなのか、どこが違うのかが分かりにくい言葉です。この記事では、筋膜リリースが一般に何を指すのかを、公的機関・公益財団法人・医療機関が公開している資料と論文をもとに、骨膜整体はハレモアがサイトで説明している範囲で整理します。どちらが優れているかを比べる記事ではありません。
先に答えをまとめます
- 筋膜リリース──筋肉などを包み、全身に張りめぐらされた結合組織「筋膜(ファシア)」に、ゆっくりした持続的な圧を加えたり伸ばしたりして、よじれをほどき、伸びやすさと動きを回復させようとする手技やセルフケアの、一般的な呼び名です(健康長寿ネット、Cleveland Clinic)。理学療法士などが行うほか、フォームローラーなどを使って自分で行う方法もあります。
- 骨膜整体──骨の表面をおおう薄い膜(骨膜)と、筋肉が骨に付く部分(筋肉と骨のつなぎ目)に働きかける、ハレモアの施術です。院長が台湾での修行を経て確立したもので、強い力で押し込む施術ではありません(当院の説明)。
- 違い──1つは名前の性質です。筋膜リリースは一般的な手技の呼び名で、骨膜整体はハレモアが行っている施術の名前です。もう1つは、施術としてどの組織を対象に説明しているかです。
この答えが成り立つ条件
- 「筋膜リリース」に統一された1つの定義はなく、施術者や資料によって指す内容が違います。たとえば米国の Cleveland Clinic は、トリガーポイント療法と同じものとして説明しています。英語の fascia(ファシア)という言葉の使い方も、分野によってそろっていません。
- 2019年に専門誌で示された用語の整理(Schleip ほか)では、骨膜も「ファシアの系」に含められています。そのため「筋膜と骨膜はまったく別物」とは言い切れません。言えるのは、施術として説明している対象が違うというところまでです。
- ハレモアのサイトでは、「筋膜リリース」という名前の施術はご案内していません。
- 当院の施術は医療行為ではなく、健康保険は適用されず、効果には個人差があります。
先に医療機関で確認してほしいサイン
筋膜リリースも骨膜整体も、医療機関での診断や治療にかわるものではありません。施術やセルフケアを考える前に、次のサインがないかを確認してください。英国の公的医療サービスNHSは、腰痛について、急ぎ方の違う3つの段階で受診の目安を示しています。
すぐに救急へ(NHSは、救急に連絡するか救急外来を受診するよう案内しています)
- 両脚に痛み・しびれ・力の入りにくさがある
- 陰部や肛門のまわりの感覚がない
- 排尿や排便に変化がある
- 性機能に変化がある
- 胸の痛みがある
- 大きな事故のあとから痛む
急いで医療機関に相談
- 熱っぽい、寒気がする、体調がわるい
- 急に始まった強い痛みがある、または痛みが急に悪化している
数週間たっても良くならない/日常生活が送れない/意図せず体重が減っている/しこりや腫れがある/安静にしても良くならない、夜に悪化する/くしゃみ・咳・排便のときに悪化する/肩甲骨のあいだが痛む
首の痛みについてもNHSは、数週間たっても良くならない、痛み止めが効かない、痛みが心配、ピリピリする感じや腕の冷えなどほかの症状がある場合は、受診をすすめています。
これらに当てはまる場合は、整体ではなく、まず医療機関で状態を確認してください。当院の施術は医療行為ではありません。骨膜整体に向いていない方については、コラム「骨膜整体とは?」にもまとめています。
「筋膜」とは何か──言葉の範囲は資料によって違う
公益財団法人長寿科学振興財団の健康長寿ネットは、筋膜を「筋肉を包む膜」とし、全身に張りめぐらされていると説明しています。「第二の骨格」とも呼ばれ、役割として、筋肉を守ること、筋肉が縮むときの滑りを助けること、血管・神経・リンパ管を支えて通り道になることが挙げられています。
米国の病院 Cleveland Clinic は、筋膜を、全身の筋肉をおおって支える結合組織とし、筋肉・骨・神経・血管・臓器に網の目のように張りめぐらされていると説明しています。
英語では筋膜を fascia(ファシア)といいますが、この言葉は、柔らかい結合組織そのもの、膜のような部分、全身に広がる系、と複数の意味で使われ、使い方がそろっていないことが指摘されています(Adstrum ほか、2017年)。2019年に専門誌で示された用語の整理(Schleip ほか)では、「ファシアの系」に腱・靱帯・関節包・骨膜なども含めています。同じ論文は、この言葉が解剖学者だけでなく健康にかかわるさまざまな分野で使われるようになり、著者によって含める組織が違うため混乱が生じていることにも触れています。
筋膜リリースとは(一般的な説明)
健康長寿ネットは、筋膜リリースを、筋膜のよじれをほどき、筋肉と筋膜の伸びやすさと動きを回復させる方法と説明しています。一定の方向に伸ばすストレッチと違い、さまざまな方向にほぐすとされています。
同じページには、筋膜リリースは本来、理学療法士などが施術するもので、効果を持続させるために自分で行う方法が指導される、とも書かれています。
Cleveland Clinic は、やさしく持続的な圧をゆっくり加えて筋膜を伸ばしていく手技と説明しています。オイルを使わず肌に直接行い、1回は15〜50分ほどで、理学療法士・作業療法士・マッサージ師・カイロプラクターなどが行うとしています。同じページでは、筋膜リリースをトリガーポイント療法と同じものとして説明しています。
このように、日本の資料と米国の資料でも、説明の中身は少しずつ違います。「筋膜リリース」という名前だけでは、何をどのように行うのかまでは決まらないと考えてください。
研究の状況
Cleveland Clinic は、筋膜リリースはほかのマッサージ療法ほど研究されていないとしています。2018年の系統的レビュー(Laimi ほか。ランダム化比較試験8件を検討)は、慢性の筋骨格系の痛みに対して筋膜リリースをすすめるには、現時点の根拠は十分でないと結論しています。
一方で、当院のサイトでも、骨膜整体の効果を検証した研究はお示ししていません。どちらについても、研究の有無だけでなく、何を目的に、どのように行う施術なのかを、受ける前に確かめてください。
骨膜整体とは(当院の説明)
ここからは、ハレモアがサイトで説明している内容です。前の2つの節の一般的な資料とは区別してお読みください。
骨膜は、骨の表面をおおう薄い膜です。筋肉はこの骨膜を介して骨に付着しており、骨膜は筋肉と骨のつなぎ目にあたります。骨膜整体は、この骨膜と、筋肉が骨に付く部分に働きかける手技で、表面の筋肉をもみほぐすマッサージとは、アプローチする層が違うと当院では説明しています。
強い力で押し込む施術ではなく、強さより位置と方向を重視します。骨をボキボキ鳴らす施術が苦手な方には、その方法は使いません。院長の児島(理学療法士)が台湾での修行を経て確立した施術です。
骨膜とは何か、施術の流れなどは、コラム「骨膜整体とは? 通常の整体・マッサージとの違いを解説」とトップページの説明にまとめています。
並べて見ると
| 筋膜リリース | 骨膜整体 | |
|---|---|---|
| 言葉の性質 | 手技やセルフケアの一般的な呼び名。統一された定義はない | ハレモアが行っている施術の名前 |
| 説明している対象 | 筋膜(筋肉などを包み、全身に張りめぐらされた結合組織) | 骨膜と、筋肉が骨に付く部分(筋肉と骨のつなぎ目) |
| 手技の説明 | ゆっくりした持続的な圧や伸張。さまざまな方向にほぐす | 強く押し込まず、強さより位置と方向を重視 |
| 行う人 | 理学療法士・作業療法士・マッサージ師など。自分で行う方法もある | ハレモアのスタッフ(全員が理学療法士というわけではありません) |
| 説明の出典 | 健康長寿ネット、Cleveland Clinic | 当院のサイト |
どちらが優れているという話ではありません。この表で比べているのは、それぞれの資料が何を対象として説明しているかです。また、名前が同じでも、施術者や院によって中身が違うことがあります。受ける前に、何をどのように行うのかを確かめてください。
痛みの原因は、自分では区別できない
NHSは、腰痛には多くの原因があり、原因がいつもはっきりするとは限らないとしています。よくあるのは肉離れなどのけがですが、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛なども原因になり、ごくまれに骨折・がん・感染などの重い病気のこともあります。多くは数週間で良くなるとされています。
このように原因がはっきりしないこともあるため、こりや痛みがどこから来ているのかを、自分で触った感じだけで決めることはできません。「筋膜が原因だから筋膜リリース」「骨膜が原因だから骨膜整体」と、自分で決めてしまわないでください。
痛みの出方が、記事の前半の受診の目安に当てはまるときは、施術やセルフケアより先に医療機関で確認してください。
セルフの筋膜リリースを試すときの注意
ここでは、健康長寿ネットと Cleveland Clinic が挙げている一般的な注意をまとめます。具体的なやり方は、参考資料の各ページをご覧ください。当院が考えた体操ではありません。
セルフの筋膜リリースを試すときの条件
- 向く人──記事の前半の受診の目安にも、下の「避ける条件」にも当てはまらない方。Cleveland Clinic は、始める前に医療者へ相談するよう案内しています。
- やり方の原則──痛みを出さない、無理をしない、ゆっくり呼吸しながら行う。時間は20〜30秒から始め、フォームローラーを使う場合は1か所1分程度が目安とされています(健康長寿ネット)。
- 避ける条件──悪性腫瘍がある、開いた傷がある、縫ったあと、感染があるときは行いません(健康長寿ネットが禁忌としています)。骨折・やけど・開いた傷・深部静脈血栓症がある方、血液をさらさらにする薬が必要な状態の方、代謝の病気がある方は、先に医療者に相談するよう Cleveland Clinic は案内しています。
- 中止する条件──行って痛みが強くなる、または痛みが変わらないときは、中止して受診するよう健康長寿ネットは書いています。
Cleveland Clinic は、フォームローラーなどを使って自分で行う場合も、始める前に医療者に相談するよう案内しています。また、施術のあとに一時的な痛みが出ることがある、とも書かれています。
岡山・倉敷で「筋膜リリース」を探している方へ
ハレモアで行っている施術には、骨膜整体、肩甲骨はがし、骨格矯正、猫背矯正、骨盤矯正、内臓調整、ストレッチ、ヘッドスパなどがあります。「筋膜リリース」という名前の施術は、サイトではご案内していません。初回はカウンセリングと検査で姿勢と動きを確認し、どこが原因と考えられるかをお伝えしてから施術に入ります。施術は骨膜整体を中心に、肩甲骨はがしや骨格矯正も組み合わせ、症状と体質に合わせて内容を組み立てます。
初回は骨膜整体体験 60分 3,300円(税込)。カウンセリング・お着替え・検査・施術・今後のご提案・セルフケア指導を含めた所要時間が60分で、完全予約制です。無理な勧誘は行いません。2回目以降は、都度払い60分14,300円〜(事前決済の価格)のほか、月額サブスクと回数券があり、詳しくはトップページの料金をご覧ください。
- 岡山店──岡山市北区辰巳29-103 辰巳セントラルビル2F。問屋町から徒歩7分、専用駐車場3台+提携駐車場2台。営業 11:00〜20:00(毎日)。
- 倉敷店──倉敷市北浜町8-64 2階。JR倉敷駅から徒歩12分・アリオ倉敷から車で約1分、駐車場9台。営業 11:00〜20:00(月曜定休・祝日の月曜も休み)。女性スタッフ在籍。
両店とも完全個室で、ネット予約・LINEは24時間受け付けています。
※当院の施術は医療行為ではなく、健康保険は適用されません。効果には個人差があります。スタッフ全員が理学療法士の資格を持っているわけではありません。
よくあるご質問
ハレモアで筋膜リリースは受けられますか?
「筋膜リリース」という名前の施術は、ハレモアのサイトではご案内していません。当院で行っている施術には、骨膜整体、肩甲骨はがし、骨格矯正、猫背矯正、骨盤矯正、内臓調整、ストレッチ、ヘッドスパなどがあります。初回はカウンセリングと検査で姿勢と動きを確認し、骨膜整体を中心に、症状と体質に合わせて内容を組み立てます。当院の施術は医療行為ではなく、健康保険は適用されず、効果には個人差があります。
骨膜整体は筋膜リリースの一種ですか?
ハレモアのサイトでは、骨膜整体を筋膜リリースとしては説明していません。骨膜整体は、骨の表面をおおう骨膜と、筋肉が骨に付く部分に働きかける手技として説明しています。なお、2019年に専門誌で示された用語の整理(Schleip ほか)では、骨膜も「ファシア(筋膜を含む結合組織)の系」に含められています。言葉の範囲は資料によって違うため、名前だけで同じか違うかを決めずに、何を対象にした施術かで見てください。
セルフの筋膜リリース(フォームローラーなど)をしてもよいですか?
一般的な注意として、健康長寿ネットは、痛みを出さず無理をしないこと、行って痛みが強くなる・変わらない場合は中止して受診することを挙げています。悪性腫瘍、開いた傷、縫ったあと、感染があるときは行わないよう書かれています。Cleveland Clinic は、セルフで行う前に医療者に相談するよう案内しています。両脚のしびれや力の入りにくさがある場合(NHSは救急の受診を案内しています)や、熱っぽさがある場合(NHSは急いで相談するよう案内しています)は、セルフケアより先に医療機関で確認してください。
参考資料
- Back pain|NHS(腰痛の原因の候補と、原因がいつもはっきりするとは限らないこと、多くは数週間で良くなること、すぐ救急へ・急いで相談・受診をすすめる、の3段階の目安)
- Neck pain|NHS(首の痛みで受診をすすめる目安)
- 筋膜リリースの効果と方法|健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)(筋膜の説明と役割、筋膜リリースの考え方、本来は理学療法士などが施術し、効果を持続させるためにセルフの方法が指導されること、自分で行う筋膜リリースで、肩や首のこり感・腰痛などの改善が期待できるとしていること、セルフで行うときの原則・禁忌・中止して受診する目安)
- Myofascial Release Therapy|Cleveland Clinic(筋膜の説明、筋膜リリースの手技・時間・行う職種、トリガーポイント療法と同じものとしての説明、事前に医療者へ相談すべき状態、セルフで行う前の相談、施術後の一時的な痛み)
- Adstrum S ほか. Defining the fascial system. Journal of Bodywork and Movement Therapies 2017;21(1):173-177(Europe PMC)(fascia という言葉が複数の意味で使われ、使い方がそろっていないこと)
- Schleip R, Hedley G, Yucesoy CA. Fascial nomenclature: Update on related consensus process. Clinical Anatomy 2019;32(7):929-933(Europe PMC)(「ファシア」と「ファシアの系」の定義、骨膜・腱・靱帯・関節包などが「ファシアの系」に含まれること、解剖学以外の分野にも使い方が広がり、含める組織が著者によって違うこと)
- Laimi K ほか. Effectiveness of myofascial release in treatment of chronic musculoskeletal pain: a systematic review. Clinical Rehabilitation 2018;32(4):440-450(PEDro)(ランダム化比較試験8件の検討で、慢性の筋骨格系の痛みに対して筋膜リリースをすすめるには、現時点の根拠は十分でないとの結論)
- 骨膜整体とは? 通常の整体・マッサージとの違いを解説|ハレモア(当院のコラム)(骨膜と骨膜整体についての当院の説明、骨膜整体に向いていない方)
※参考資料は、公的機関(NHS)・公益財団法人(健康長寿ネット)・医療機関(Cleveland Clinic)が公開している一般的な情報と学術論文、および当院のコラムです。筋膜や筋膜リリースについての資料は、骨膜整体そのものの効果を示すものではありません。
頭痛腰痛肩こり専門整体院ハレモアが、NHS(英国国民保健サービス)、健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)、Cleveland Clinic などが公開している情報と学術論文をもとに作成しており、骨膜整体についての記載は当院の説明です。記事の内容は一般的な情報であり、診断や治療にかわるものではありません。症状の判断は医療機関にご相談ください。当院の施術は医療行為ではなく、健康保険は適用されず、効果には個人差があります。
まずは60分の初回体験から
カウンセリング・検査・施術・セルフケアの指導まで含めて60分 3,300円(税込)。
いまの体の状態を、一緒に確認するところから始めます。